【楽天決算まとめ】楽天経済圏の今後を分析&予想!

MONEY

みなさん、こんにちは。おいなり夫婦です。

ここ最近、楽天関連のサービスで改悪が続いたことがニュースになっていました。

おいなり夫婦も楽天経済圏の住人の一員として、各種ニュースに一喜一憂していましたが、そんな中2月14日(月)に楽天による決算説明会が行われました。

今回の記事では、決算発表に関して主要なトピックを振り返って読み取れた内容から、今後楽天経済圏がどうなっていくのか、楽天経済圏を使い続けるべきなのかを考察していきたいと思います。

考察だけ読みたい方は目次から最後の見出しにジャンプしてください!

※楽天経済圏の概要についてまとめた記事はこちら

決算主要データ

まずは連結での決算概要から振り返っていきます。

数値としては、売上高も赤字も過去最大となっていました。

主要数値

売上高 :1兆6818億円(前年比+15.5%)
営業利益:-1947億円
最終利益:-1338億円

ここ数年を振り返っても、売上高は毎年二桁成長、赤字も拡大し続けています。

いなり
いなり

売上が右肩上がりに増えてるのに赤字なんだねえ

いなり子
いなり子

売上が上がるのは順調な証拠だけど、稼いだ以上に使ってるってことよね

楽天には大きく「インターネットサービス事業」「フィンテック事業」「モバイル事業」の3つの柱がありますが、赤字の要因になっているのは、2019年から本格的に着手し始めた「楽天モバイル」事業への投資です。

各事業に関して、以下で詳細を確認していきます。

インターネットサービス事業関連

インターネットサービス事業について、数値は以下の通りでした。

主要数値

売上高 :1兆6818億円(前年比+15.5%)
営業損益:1,075億円

トピックスとしては、以下のような内容が挙げられていました。

①国内EC流通金額が5兆円突破

コロナ禍での巣ごもり需要が追い風となり、国内ECでの取扱高が前年に比べて大きく伸び5兆円を突破。

三木谷社長からは、2030年を達成目標にしていた10兆円も、前倒していきたいと強気の言葉がありました。

②自社ECサービス間でのクロスユース拡大

楽天市場を使っているユーザーがその他楽天サービスを使用している割合も大きく増加していたとのこと。

この辺りは楽天経済圏の分かりやすい強みと言えますね。

いなり
いなり

西友ネットスーパーさんいつもお世話になってます!

いなり子
いなり子

コロナが収まらないのに楽天トラベルも2019年比で+5.1%増だったんだって!

フィンテック関連

続いてフィンテック関連事業について、数値は以下の通りです。

主要数値

売上高 :6190億円(前年比+7.4%)
営業損益:891億円

トピックスとしては、以下のようなことが取り上げられていました。

①楽天カード発行枚数2,500万枚、楽天銀行口座数1,200万、楽天証券口座数700万突破

今改悪で揺れる楽天銀行や楽天証券がこれだけの口座数を突破していたことに驚きです。

また、楽天カード・楽天証券・楽天銀行の3つをクロスユースするユーザー数は前年比で約9割増というのも驚愕。

いなり子
いなり子

直近の改悪の影響が出てくるのは次の決算だろうから、それも要注目ね

②楽天銀行のIPOは今年後半から年末にも

昨年9月に発表された楽天銀行の上場については、準備が進んでおり、今年後半から年末ぐらいに行えるよう準備中とのことでした。

モバイル事業関連

最後に問題のモバイル事業について、数値は以下の通り。

主要数値

売上高 :2275億円(前年比+31.9%)
営業損益:-4,212億円

トピックスとしては以下が主に話されていました。

モバイル事業については、今後の楽天の動きに大きく関わってきそうなため詳細にご説明していきます。

①楽天回線エリアの4G人口カバー率が96%を達成

急速に設備投資を進めた結果として、当初計画から約4年前倒しで「4G人口カバー率96%」を達成したとのこと。

三木谷社長曰く、楽天モバイルが楽天エコシステムにもたらす貢献度は想像以上とのこと。

楽天モバイルが成功するか失敗するかが、楽天のこれからを決めていくことになりそうです。

②MVNO(他社回線利用のプラン)からMNO(自社回線利用のプラン)への乗り換え加速

MVNO(他社の回線を借りてサービス提供する形態)から、MNO(自社の回線でサービスを提供する形態)への移行も進んでいるとのことです。

ただ、2021年12月時点でMNOは450万回線の契約ですが、参入当初に損益分岐ラインと発表していた契約数は700万回線。

事業黒字化まではまだまだ先が長いようです…。

楽天モバイルの赤字要因

さて、気になるのは契約者が増えているのになぜこんなに赤字がかさんでいるのかということ。

楽天モバイルが赤字になる要因としては大きく下記の3つがあります。

赤字要因

①巨額の設備投資
快適な電波を届けるための基地局などを整備する費用です。
決算では2023年までは設備投資を強めに行うが、それ以降は定常レベルの投資に切り替えていくとの話がありました。

②無料キャンペーンでの利用者獲得
MNOとして提供している「Rakuten UNLIMIT」は月額のプラン料金を1年間無料にするキャンペーンを行っていました。
利益を生まない集客施策だったため、赤字に繋がっていましたが、キャンペーン期間が終了するに伴い、今後は月額料金による収益も期待できるようになるとのことでした。

③KDDIへのローミング費用の支払い
自社の電波が届かない地域については、これまでKDDIの回線をローミングすることでサービスを提供していました。
ここには毎月百億円以上の費用が発生していたと言われていますが、自社ネットワークの拡大に伴い、今後は改善していくとの話がありました。

いなり
いなり

携帯キャリア事業にイチから参入して2年でこの状態というのは本気の結果だよねえ

いなり子
いなり子

私たちは楽天モバイルは使ってないけど、固定費削減への貢献度は大きいよね!

楽天経済圏は今後どうなる?分析と予想

決算内容を調べてまとめてみると、楽天の多種多様なサービスは楽天IDや楽天ポイントによるシナジーが最大の強みであることがあらためてよく分かりました。

最後に、楽天ユーザーにとって一番気になる楽天経済圏の今後について、おいなり夫婦なりに考察します。

楽天全体の鍵を握るのは楽天モバイル。今後の課題と展望

楽天全体として、楽天モバイルの成功に社運を欠けているのは間違いないでしょう。

そんな中、2021年は大手キャリアもahamo、LINEMO、povoを発表し、楽天モバイルにとっては価格による競争優位性が低下した年でもありました。

決算では1年間無料のキャンペーン期間が終了して、今後収益性が改善するという話はありましたが、代わりに会員獲得をどのように行うのかが課題と言えるでしょう。

決算内のQ&Aでは、今後5Gが普及して使用データ容量が大きくなった時に、ユーザー向けには優位な価格のプランを提供して他社と勝負するという話がありました。

また、楽天が抱える40万以上の法人顧客に向けての法人契約も今後拡大していくといった話もありました。

ちなみにMMD研究所が2021年に発表した調査結果によると、現状の携帯キャリアの市場シェアは以下のような状況とのことです。

各大手キャリアを利用しているユーザーの乗り換え先候補として、楽天モバイルが上位に食い込んでいるということで、引き続きユーザー数の伸びはある程度期待できるのではないかと思います。

一方で、「楽天モバイルの回線は繋がりづらい」というイメージが広がっているのも事実。

この解消に向けて、楽天は「プラチナバンド」と呼ばれる、屋内で繋がりやすい周波数帯の獲得に向けて動き出しています。

ただし、プラチナバンドの獲得には他大手キャリアとの利害関係の調整や、総務省を動かすことも必要になるため、実現は非常に困難で長い時間がかかるだろうと言われています。

ポイント還元引き締めは資本調達次第?

楽天経済圏の根幹を成す楽天ポイントの還元をどこまで引き締めるかは、事業の元手になる資本が順調に調達できるかどうかにかかってくる可能性が高いと思っています。

楽天は現在自己資本率が6.5%、有利子負債額が3兆4,029億円と、財務的に不安が残る状況です。

資金調達の鍵は、楽天銀行のIPO海外向けの通信プラットフォーム事業「楽天シンフォニー」が握っているでしょう。

この2つについては、今後の動きに要注目です。

改悪ではなく最適化?

別の観点で、楽天的には現状のポイント制度の変更を「改悪」ではなく「最適化」と考えている点も注目ポイントです。

自社サービスの「売り」であるポイント還元をなくすということは、分かりやすくコストカットになる一方で、ユーザーが離れかねない諸刃の剣です。

実際、先日の楽天証券での改悪を機に、楽天証券からSBI証券などの競合他社のサービスに移行しようとしている人も多く出てきています。

楽天が必死に投資を続けている楽天モバイルにおいても、選ばれる理由に楽天ポイントの存在があることは間違いないでしょう。

ただ、三木谷社長によると、楽天では顧客層の分析をした結果、ビジネスの利益に貢献しない顧客への最適化として、ポイント制度の改変を行っているとのこと。

例えば、楽天証券では500円以上のポイント投資で+1.0%ポイントが還元されていたものが、投資信託と米国株でのそれぞれの投資額が30,000円以上で+0.5%ずつと、ポイント還元に一定以上の資金投資が必要になる変更が入ります。

今後もこの最適化の傾向は続いていくとは思いますが、楽天が優良な顧客と見なしている層に対しては、そこまで大きな改悪は起こってこないのではないかと思っています。

結論:ヘビーユーザーには総合力で引き続きオススメ

直近の変更により、ネット証券や銀行口座など、サービス単体で見た時の魅力は他社サービスより劣るものも出てきましたが、「経済圏」という中にはECサイトや銀行、キャッシュレスサービス、携帯キャリアなど様々なものが含まれます。

これらの総合力で見ると楽天は引き続き非常に有用だと思っています。

一方で、ソフトバンク(PayPay経済圏)、ドコモ(dポイント経済圏)、KDDI(Pontaポイント経済圏)、Amazon(Amazon経済圏)など、今後の他経済圏の動向にも要注目です。

総合力の高い経済圏が出てきた場合には、切り替えるのもアリというのも我々の見解です!


以上、決算内容の紹介と楽天経済圏の今後について、まとめてみました!

また何か楽天関連の動きがあれば、記事でお知らせしていきたいと思います。

コメント

  1. 佐藤 ジャンク より:

    おいなり夫婦さんこんにちは!
    樂天 真っ赤ですよね!
    樂天にはお世話になってるから買え支えてあげたいけど笑
    700円付近でPL次第で購入検討中です!

    • ジャンクさんこんにちは!
      コメントありがとうございます♪

      楽天、企業ロゴ通りの真っ赤さですよね笑
      我が家は国内個別株にはなかなか手を出せないのですが、ジャンクさんが我が家の分まで買ってくださることを祈ってます٩( ‘ω’ )و