こんにちは、おいなり夫婦です。
FIREを目指し始めよう!という方に向けて、再現性の高い手順をイチからご紹介する連載シリーズ「目指そうサイドFIRE!入門編」。
今回は先日ご紹介したつみたてNISAに続いて、サイドFIREを目指すにあたって誰もが活用するべきお得な制度「iDeCo」についてご説明します!
是非最後までお読みください♪
▼「目指そうサイドFIRE!」のこれまでの記事はこちら
シリーズ記事一覧
第1回:生活費いくらかかってる?
第2回:収入減に備える!生活防衛資金の考え方
第3回:投資の基本知識を学ぼう!リスクとリスク許容度について
第4回:投資検討時の3つの観点とリスクを下げる3つの考え方
第5回:自分に合った手法を!投資の種類を学ぼう
第6回:つみたてNISA徹底解説(前編)概要・メリット・NISAとの違い
第7回:つみたてNISA徹底解説(後編)始め方と金融機関や商品の選び方
iDeCoの概要

iDeCoは正式名称を「個人型確定拠出年金」という、個人向けの年金積立制度です。
2001年に「企業型DC(企業型確定拠出年金)」とともに登場し、多くの人が利用しています。
日本の年金制度はよく増築していく建造物に例えられます。
1階には20歳以上の全国民が加入する「国民年金」、会社員や公務員は2階に「厚生年金」、3階に「企業年金」や「退職金等年金給付」があり、iDeCoはその上に積み上げるものです。
一方、自営業者・フリーランスの場合は1階部分の上に「国民年金基金」やiDeCoが積み上げられるようになっています。
iDeCoの特徴は、その他年金と違い、毎年一定の金額を自ら拠出し、そのお金を元手に定期預金や保険、投資信託などを運用するというところにあります。
iDeCoに入れる人と掛け金
iDeCoは基本的に20歳以上60歳未満の人であればほとんどの人が入ることができますが、一部の人は加入できません。
加入区分 | 加入対象となる方 | 加入できない方 |
国民年金の 第1号被保険者 |
日本国内に居住している 20歳以上60歳未満の 自営業者、フリーランス、学生など |
・農業者年金の被保険者 ・国民年金の保険料納付を免除 (一部免除を含む)されている方 ※ただし、 障害基礎年金を 受給されている方は加入可能 |
国民年金の 第2号被保険者 |
厚生年金の被保険者 (サラリーマン、公務員)で 60歳未満の方 |
・お勤めの企業で 企業型確定拠出年金に 加入している方(※) |
国民年金の 第3号被保険者 |
厚生年金に加入している方の 被扶養配偶者で 20歳以上60歳未満の方 |
– |
(※)会社員の方で企業型の確定拠出年金に加入している場合は、勤務先が iDeCoにも加入することを認めていて、マッチング拠出制度(企業のつみたて額に個人が追加でつみたてできる制度)を利用していない場合のみ、加入することができます。
もしiDeCoへの加入を検討されている場合は、勤務先の総務や人事に確認してみましょう。
掛け金
iDeCoの掛け金については、以下3点がポイントです。
- 掛け金は月々5,000円程度からOK!
- 職業によって毎月の掛け金上限額が異なる
- 掛金額は年に1回、1,000円単位で変更可能
掛け金の上限金額については、以下のように定められています。
職業 | 毎月の掛金上限額 | 年間の掛金上限額 |
自営業(第一号被保険者) | 68,000円 | 81万6,000円 |
公務員(第二号被保険者) | 12,000円 | 14万4,000円 |
専業主夫(第三号被保険者) | 23,000円 | 27万6,000円 |
サラリーマンの加入条件 | 毎月の掛金上限額 | 年間の掛金上限額 |
所属する企業に企業年金がない | 23,000円 | 27万6,000円 |
企業型確定拠出年金のみに加入している | 20,000円 | 24万円 |
企業年金のみに加入している 企業年金と企業型確定拠出年金に加入している |
12,000円 | 14万4,000円 |
iDeCoのメリット
毎月決して少なくない金額をつみたてるiDeCoですが、これだけの金額をつみたてることに抵抗を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、iDeCoには利用に値する大きなメリットとして、以下の3つがあります。
- 所得税/住民税の節税
- 運用益が非課税
- 受け取り時の税額軽減
順にご説明していきます。
所得税/住民税の節税
iDeCoでつみたてた金額は、所得から控除することができます。
これにより、所得金額が少ないものと見なされ、所得金額に応じて支払う所得税や住民税などの税金も少なくなります。
具体的には課税所得ごとに以下の通りの節税効果があります。
課税所得 | 税率 | 年間掛金 | |||
所得税 | 住民税 | 14万4,000円 の場合 |
27万6,000円 の場合 |
81万6,000円 の場合 |
|
195万円以下 | 5% | 10% | 2万1,600円 | 4万1,400円 | 12万2,400円 |
195万円超〜 330万円以下 |
10% | 2万8,800円 | 5万5,200円 | 16万3,200円 | |
330万円超〜 695万円以下 |
20% | 4万3,200円 | 8万2,800円 | 24万4,800円 | |
695万円超〜 900万円以下 |
23% | 4万7,520円 | 9万1,080円 | 26万9,280円 | |
900万円超〜 1800万円以下 |
33% | 6万1,920円 | 11万8,680円 | 35万880円 | |
1800万円超〜 4000万円以下 |
40% | 7万2,000円 | 13万8,000円 | 40万8,000円 | |
4000万円超〜 | 45% | 7万9,200円 | 15万1,800円 | 44万8,800円 |
運用益が非課税
通常投資信託や株式、定期預金などで運用益が出た場合、運用益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでつみたてたお金を運用して得た利益は非課税になります。
これにより、運用益をそのまま再投資に回すことができるため、複利の効果を最大限受けることができます。
受け取り時の税額軽減
60歳を超えて、つみたてたものを受け取っていくときのお金を「老齢給付金」と呼びます。
この老齢給付金は、5年以上20年以下の期間に分けて受け取る「年金」方式か、まとめて一括で受け取る「一時金」方式のどちらか(あるいは2つの組み合わせ)で受給方法を選択することができます。
そして年金の場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」という形で、受け取るときにも大きな控除が受けられます。
iDeCoのデメリット
60歳まで引き出せない
iDeCoの一番のデメリットは原則60歳になるまでは資産を受け取れないことです。
「原則」と書きましたが、例え生活が苦しくなって借金をしなくてはいけないような状況であっても途中で引き出すことはできません。
自由に使えるお金ではないということで、あくまで余剰資産の範囲内で運用していくことが重要と言えるでしょう。
また、iDeCoに加入していた期間によって、受け取り可能な年齢が異なることにも注意が必要です。
通算加入者期間 | 受給開始年齢 |
1か月以上、2年未満 | 満65歳以上 |
2年以上、4年未満 | 満64歳以上 |
4年以上、6年未満 | 満63歳以上 |
6年以上、8年未満 | 満62歳以上 |
8年以上、10年未満 | 満61歳以上 |
10年以上 | 満60歳以上 |
元本割れの可能性がある
iDeCoでは運用商品として元本確保型の定期預金以外に、元本確保型ではない投資信託も対象になっています。
投資信託は運用がうまくいけば元本確保型より高い収益を得ることができますが、経済動向などによっては投資元本を下回ることもあります。
元本被確保型でない商品を買う際、iDeCoでは毎月定期的に資金をつみたてて投資していく「ドルコスト平均法」を実践することになるので、価格が下がったときは多く買えて、高いときには控えめに買うことができます。
これにより、ある程度リスクを抑えることはできますが、全く価格変動によるリスクを取りたくないという方には、デメリットといえるでしょう。
ただ、元本確保型の商品のみで投資を行うこともできますが、その分得られるリターンも非常に低くなってしまいます。
投資信託の中にも多種多様な商品があるため、その時々のライフステージや目標資産額の変化に合わせて、適宜投資先の配分を見直すようにしましょう。
手数料がかかる
iDeCoでの資産運用を行うには、iDeCoを取り扱う金融機関で、専用の口座を開設する必要があります。
運用にあたっては以下の手数料がかかってきます。
- 加入移管時手数料:2,829円(開設時のみ)
- 事務手数料:105円(毎月)
- 資産管理手数料:66円(毎月)
- 運営管理手数料:0円〜440円(毎月・金融機関によって異なる)
これに加えて、投資信託で資産運用を行う場合は商品ごとに設定された「信託報酬」が必要になるのと、途中で商品を売却して別の商品を買い直す(スイッチング)場合には手数料が発生することもあります。
iDeCoは少額での積立や口座の一時休止なども可能ではありますが、その間も手数料は発生します。
長期間休止したまま放置していると運用益より手数料の方が高くなってしまう場合もありますので注意が必要です。
商品について
ここからはiDeCoで商品を選ぶ時の考え方やオススメの商品についてご説明していきます!
商品の種類とリスク許容度について
まず、iDeCoの商品には大きく「元本確保型」の保険や定期預金と、そうではない投資信託の3種類があります。
元本確保型の商品はリスクが低い代わりに、リターンも低くなります(定期預金の場合高いもので0.05%程度)
また、投資信託の投資対象にも国内債券・海外債券・国内株式・海外株式とさまざまな物があります(4つの中では国内債券が一番低リスクで海外株式が最も高リスク)
リターンが少ない商品は、iDeCoのメリットの1つである「運用益が非課税」な点を活かしきれない点はもったいないと言えますが、どの程度リスクを取っても良いかは、その人の「リスク許容度」によって異なるため、まずは自分のリスク許容度について認識しておくようにしましょう。
リスク許容度についてまとめた記事はこちら。
つみたてNISAとの考え方の違い
iDeCoの運用や商品選びにあたっての考え方は、基本的には前回ご説明したつみたてNISAと大きくは変わりません。
商品を選ぶ際には、以下の5ポイントを意識するようにしましょう。
- 信託報酬額
- インデックス or アクティブ
- 投資先の地域
- 投資対象
- 純資産総額
上記5つのポイントに関して、詳細はこちらの記事をご確認ください。
つみたてNISAと比べた時に、つみたてNISAが途中換金できるのに対して、iDeCoは60歳まで受け取れないことは大きな違いです。
つみたてNISAに比べて、iDeCoはより老後に向けて長期的に資産を運用するのに向いた方法と言えますし、iDeCoの商品選びにあたっては、受け取りを開始する時点(60歳)での出口戦略を考えることがより重要になってくるとも言えるでしょう。
金融機関によっては、時間の経過とともに、運用対象を自動で安定的な資産に変えていく「ターゲットイヤー型」と呼ばれる商品もありますので、自分で資産配分をスイッチングするのが手間だったり、自信がない場合はターゲットイヤー型の商品を選ぶのもアリかもしれません。
ただし、ターゲットイヤー型は手数料が比較的高いことや、全ての人が高年齢だった場合に安定資産に切り替える必要がないことには注意が必要です。
※例えば、余剰資金が多くある方は年齢が高くてもリスクを多く取れるので、安定資産に切り替える必要が大きくないですよね
iDeCoはつみたてNISAよりも商品数が少ない金融機関が多いので、1つ1つをじっくり吟味して選ぶようにしましょう!
以上、今回はiDeCoについてご紹介しました!
iDeCoの公式サイトには、シミュレーションや役に立つコラムなども載っているので、そちらも是非参考にしてみていただければと思います。
ある程度入門的な内容のご紹介は終わりましたので、目指そう!サイドFIRE【入門編】は今回で終了しようと思います。
また入門以降の内容についても取り上げていこうと思いますのでお楽しみに♪
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